社労士の勉強方法(その2:通信教育)

社労士
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前回の記事では予備校の通学講座と独学のメリット・デメリットを取り上げましたが、今日は通信講座です。

実は私も今年は通信講座で勉強をしています。

目 次

 

社労士では通信が主流?

社労士受験生の多くは社会人と思われますが、通信教育の利用割合がかなり高いと思われます。

というのも、(予備校の)通学講座は費用の問題だけでなく、「会社が終わった後で通わないといけない」という時間・場所的な制約もあるからです。

現実問題として、会社の近くに予備校がないと、なかなか通学は難しいかもしれません。

さらに言えば、昨今のコロナ禍で、(地理的・時間的には予備校に通えるものの)あえて教室受講は選ばないという方も相当数いらっしゃると思います。

結果、予備校の講座の利用者も通学ではなく「通信」(web受講を含む)を選択する人が多くなっているようです。

 

「予備校の通信講座」と「通信教育専用講座」の違いは?

予備校のウリは何と言っても通学講座です。学校などもそうですが、対面型の授業というのは、学習効果が非常に大きい

ところが、コロナ禍で対面授業は大幅に減り、予備校も通信講座へのシフトを余儀なくされました。

これは対面型授業がウリの予備校には相当の逆風です。結果、「予備校」と「通信教育講座」の違いは縮小していると言えるでしょう。

特に、主力教材である「テキスト」においては、「実績のある通信教育会社」と「大手予備校」で大きな差があるとは思えません。

ということで、社労士の場合、通信教育講座を選択する受講生の割合は今後とも増えていくと言えるでしょう。

もちろん、同じ通信講座であっても、予備校と通信教育会社ではそのコンセプトが違うので同一視はできません。

この点は後述します。

 

通信講座のメリット

教材が充実している

予備校の専用テキスト同様、通信講座のテキストも必要な情報が網羅されています。

通信講座の教材をマスターすれば試験合格には十分であり、市販の参考書等を利用する必要は基本的にはありません。

 

プロ講師の指導を受けられる(動画授業)

通信教育専門会社の提供する講座において、プロ講師の授業を視聴できるサービス(動画授業)を提供しているところがあります。この場合、予備校のWeb通信講座との差はほとんどないと言えるでしょう。

ただ、2点ほど注意すべき点があります。

1つは、通信教育でも映像授業を提供していないところもあるということです。この場合は、独学に近くなりますので、質問サービスのようなものを上手に使う必要があります。

2つ目は、通信教育講座と予備校の通信講座(WEb講座)の授業動画の作り方に差があるということです。

通信教育会社の授業動画は(当たり前のことですが)通信受講生向けに作られています。すなわち、講師も対面授業を想定していないということです。

一方、予備校の通信講座は通信生専用に撮り下ろすわけではなく、教室授業を配信している所が多いように思います(確認していないので推定です)。

どちらが良いのかは一概に言えませんが、同じ動画授業でも、コンセプトの違いは意識しておく必要はあるでしょう。端的には、通信専用講座の方が動画授業の時間が短いということです。

ただ、動画授業については、受験機関によってかなり差があるようなので、比較検討して自分に合うものを選ぶ必要があります。

以下、参考までに比較表を掲げておきました。

講義時間が長目の動画 講義時間が短目の動画
受験機関 通学授業を行っている受験予備校 通信教育講座を提供する会社
臨場感 ○(教室授業の再現) △(良い意味で淡々と進む)
理解し易さ 〇(教室授業と同様、丁寧な解説) △(ポイントを絞った簡潔な解説)
復習のしやすさ △(再視聴には時間がかかる) 〇(ピンポイントで復習できるので時間が短縮できる)

 

 

ちょっとした注意

通信講座には、①予備校(教室授業提供)と②通信教育専門会社の2つがあること、それぞれの動画授業の特徴は前述したとおりです。

ここで注意すべきは、予備校(教室授業提供)の方です。

予備校の提供する講座は通常複数あり、一般的にはその中に通信講座も含まれていると思います。

通信講座は教室講座に比べて受講料が若干安く設定されているので、いったん通信講座を選ぶと、差額を払わない限り教室受講に切り替えることはできないかもしれません。

一方、通学授業を欠席した場合のフォローとして、動画授業が受けられる「教室講座」もあると思います。

この場合は、通常の通学講座にオプションとして動画が付属しているという形になります。

例えば、

✓ 今は不安だから自宅で学習するけど、コロナが収まったら教室で受講したい

✓ 苦手な個所やモチベーションが下がったときに、教室で授業を受けてみたい

といったニーズがある場合、「通信」ではなく、「通学講座」を選んで、(教室に通えない時の)欠席時のオプションを通信代わりにした方が良いかもしれません。

いずれにしても、どのようなサービスが受けられるかは受験機関によって異なるので、ニーズに合った講座があるかどうか、問い合わせてみる必要があるでしょう。

 

[st-kaiwa1]動画授業といっても、ずいぶん違うんだね。[/st-kaiwa1]

[st-kaiwa3 r]「教室授業の再現」か「通信専用の撮りおろし」かの違いは結構大きいと思うよ。一般的に、通信専用に作った動画の方が講義は簡潔になるね。それと、こういう状況下だから、通信と通学を組み合わせることも必要かもしれないね。[/st-kaiwa3]

 

試験に関する最新情報が得られる

実績のある通信教育専用講座であれば、受験予備校と同様、情報量や情報収集力という点ではそん色ありません。

こうした通信講座を利用すれば試験にとって重要な情報・最新情報は漏れなく取り上げてもらえるので心配がありません。

 

通信講座のデメリット

一方、通信教育講座のデメリットも考えておく必要があります。

モチベーションが保ちにくい

モチベーション維持が難しいという点に関しては(独学ほどではないにせよ)通信講座の大きなネックでしょう。

通信教育が続けにくいのは今に始まったことではありません。私も遠い昔に大学受験の勉強でZ会を利用しましたが、1年も続かずに辞めています。

当時は、「紙の添削課題が定期的に送られてくる ➡ 課題を解いて期限内に返送する ➡ 添削済答案が戻ってくる」というシンプルなサービスだったので、基本的に独学で進められる忍耐力が必要でした。

しかし、今ではZ会でも動画の授業やタブレット利用したサービスを実施しているようで、(私が経験した頃とは比較にならないほど)モチベーションアップの工夫がなされています。

社労士の通信講座でも、技術の進歩やネット環境の整備などを活用し、続けるための様々な工夫(≒モチベーション維持)が施されるようになりました。実際、私が受講している通信講座も、途中で勉強が挫折しないような工夫がいくつかも組み込まれています。

ただそれでも、教室の対面授業には適いませんが…。

また、後述するように、予備校に比べて受講料が割安なのも、勉強を続けるモチベーションがそれほど高まらない要因となります。

通信講座の場合も独学と同様、学習を続けるモチベーションアップには自分なりの工夫が必要でしょう。特に、学習初期の段階(学習開始後1ヶ月~3ヶ月)が最も挫折しやすいので、学習初期段階で自分なりの学習スタイルやモチベ―ションアップ法を確立することを意識しておくと良いでしょう。

 

受講料がかかる

予備校の通信講座は通学講座に準じた価格体系になりますが、通信専用講座の受講料は予備校に比べると低く抑えられています。

一概には言えませんが、予備校の通学講座の「3分の1から半額程度」という感じでしょうか。かなり割安感があります。

それでも、独学に比べると高いことは確かでしょう。私の受講する通信講座の授業料は8万円弱。一度に払う金額としては、多少躊躇します。

ただ、この受講料が試験日までの受講料(現在だと約10か月あります。)と考えれば、1ケ月あたりに均すと8,000円程度となります。この金額は、子供の習い事の金額と同じくらいです。

ちなみに我家には受験生がいるのですが、子供の塾などに払うお金を年間で合計すると上記金額の軽~く10倍くらい行きます。お金を稼いでいる親が自分の勉強のために少々お金を使っても、バチは当たらないでしょう。)

「子供にも習い事をさせているんだから、自分も1年くらい習い事をしても良いのではないか」という程度に考えると、受講料もそれほど高く感じなくなるわけです。

もっとも、受講料を安く感じるというのは良い点だけではなく、それだけ途中で「辞めやすい」ということになります。

 

[st-kaiwa1]通信講座の受講料なら何とか払えそうだな。[/st-kaiwa1]

[st-kaiwa3 r]通信講座は勉強方法としては良いと思う。後は実際に勉強を開始すること、勉強を続ける工夫や仕組みを意識しよう。[/st-kaiwa3]

 

まとめ

通信講座利用のポイント

  • 受験予備校の「通学講座の代わりの通信講座」と「通信専用会社の通信講座」ではコンセプトが違う。
  • 教材の比較はもちろん、動画授業の比較も重要。自分に合ったものを選ぶ。
  • 通学講座のある予備校の場合、通学の要素と通信の要素を組み合わせることが可能となる場合がある。
  • モチベーション維持方法を学習初期段階で確立する。
  • 通信専用会社の受講料は(通学講座のある)予備校より安いが、少なくとも数万円単位の出費は必要。

 

 

 

 

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