私は、USCPAのライセンスホルダーですが、今回は、毎年年末が近づくと取り組まざるを得ない(?)CPE(Continuing Professional Education:継続的専門教育)を記事にしたいと思います。
CPE(Continuing Professional Education:継続的専門教育)
CPE(Continuing Professional Education:継続的専門教育)とは、職業専門資格を有する場合、その資格に関する知識等をブラッシュアップするための研修(自己研修を含む)であり、今日ではUSCPAのような国際資格だけでなく、日本国内でも多くの資格において一定のCPEが資格維持要件として義務付けられています。
「いやしくも有資格者なら、(法律などで)義務付けられなくても、自主的に研鑽を積むのが当然の姿」というのが「あるべき論」なのではありますが、資格を名乗る最低限の水準を保証するという意味あいで、制度としてのCPEの導入が進んでいるということが背景にあります。
USCPA試験とCPE(継続的専門教育)について
USCPA(米国公認会計士)は、試験自体は全米統一試験(現在はCBT方式の試験)ですが、実務を行う際に必要となるライセンスは州ごとに付与されます。米国の場合、州ごとに州法がかなり違うので、連邦法だけ知っていても実務はできません。同様の理由で、米国弁護士なども州ごとのライセンスとなっています。
(USCPAの)ライセンスは、CPEの義務を満たさないなど一定の事由が生じると失効します(復活させる道はあります。)
一方、USCPA(米国公認会計士)の試験は、一度(全科目)試験に合格すれば、試験の合格実績自体は(今のところ)消える恐れはないようです。しかし、科目合格実績は(一定期間経過すると)消えてしまう(expire)ので、この点には注意が必要です(中小企業診断士の1次試験と同じ扱いです。)
いずれにしても、CPEが必要となるのはライセンスの取得・維持という段階で、具体的には、(州の)ライセンスを維持するために所定のCPE(継続的専門教育)単位を取得して、ライセンス登録州のBoard of Accountancy(政府会計委員会)に報告することが必要となります。
私の登録州では、1月~12月(暦年)を1年と設定し、「3年間で120単位以上、1年間で最低20単位の取得」が必要となります。そして、3年毎のライセンス更新時において、このCPEの要件充足が求められます。
なので、例えば、「(1年目)40単位、(2年目)40単位、(3年目)40単位」とか「(1年目)20単位、(2年目)20単位、(3年目)80単位」といった形で取得すればOKです。
しかし、「(1年目)30単位、(2年目)0単位、(3年目)90単位」というような形は認められないので、毎年CPEに取り組む必要があります。
CPE(単位)の取得方法
CPEの単位取得方法には色々な方法があります。
私の場合、CPEプロバイダー(認定された研修事業者)の自己学習のオンラインコースを利用しています。恐らく、日本人のUSCPAライセンスホルダーの多くが何らかのオンラインコースを利用してCPE単位を取得してものと思われます。理由は、コスト的にも安く、かつ、単位取得も容易だからです。
オンラインコースでは、オンライン教材を自習して、最後に確認テスト(CPEの単位数によって問題数は異なります)を受けて、70%以上の得点をとると単位が認定されます。
満点を取るのはなかなか難しいですが、普通にやれば確認テストは9割位は楽に取れるので、不合格になることはほぼありません。なお、不合格になってもテストは何度か受けられます。
CPEにかかる費用と資格維持コスト
CPEは、資格(ライセンス)維持に必要なコストですが、私の場合はライセンス取得してからそれなりの年数を経ているので、既に何度かライセンス更新を行っており、また、CPE単位の取得コストを抑える「テクニック(?)」も身に付けているので、CPEの費用負担は正直大したことはありません。
一方、ライセンスを維持するためには、上記のCPEコスト以外に、3年毎に(州の)ライセンス更新料がかかります。これは節約テクニックはありません。
さらに私の場合は、AICPA(米国公認会計士協会)の正会員でもあるので、AICPAの年会費もかかります。じつは、この年会費がコストとしては最も高くなっています。
AICPAの年会費は、ライセンス維持のために必要はないので、「そろそろ打ち切ろうかな」と考えています。
おわりに
資格というと資格取得コストの方に目が行きがちですが、「資格維持コスト」が必要となる資格も多いので、資格維持コストも考慮した上で資格取得を考える必要があると思います。
もっとも、多くの資格試験では、(登録等をしなくても)「試験合格実績は消えない」扱いなので、しばらく眠らせておいて使う段になったら復活させるという形で維持コストを抑えるという方法もあります。