USCPA(米国公認会計士)試験が変更

学び全般
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USCPA試験が2024年1月から変更されます。
変更があること自体は(漠然と)知っていましたが、いよいよ来年(来月)から変更ということで、少し中身を確認してみました。

試験制度(試験科目)の変更概要

USCPAの現行の試験は、①FAR、②AUD、③REG、④BEC(科目の正式名称は後述)の4科目ですが、制度変更後も受験科目が4科目であることには変わりません

しかし、4科目の中身が少し変わり、従来の必須4科目の試験から、core(必修科目)3科目と、discipline(選択科目)1科目の試験となります。

必須3科目(core)は、Financial Accounting and Reporting(FAR)、Auditing and Attestation(AUD)、Taxation and Regulation(REG)で、基本的に大きな変更はない模様です。

選択科目は、従来のBEC(Business Environment & Concepts )が3つの選択科目に分離し、深化したようです。3つある選択科目から1科目を選択することになります。

選択科目は、Business Analysis and Reporting (BAR)、Information Systems and Controls(ISC)、Tax Compliance and Planning (TCP)の3つとなります。

変更の詳細は、NASBAから公表されています。

(米国)公認会計士業務の中心は、財務会計(FAR)、会計監査等(AUD)、税務(REG)にあると思われますが、従来のBECが3つの分野へ分岐しており、新しい時代を感じさせる試験制度の変更になっています。

USCPA試験の思い出

私がUSCPAを受験したのはまだ紙ベースの試験の時代でした。
試験科目は、①FARE(現行のFARとほぼ同じ?)、②AUDIT(AUDと同じ)、③ARE(米国税法と政府等の公会計分野?)、④LPR(米国の商法等)だったと記憶しています。

紙ベースの試験は2004年頃まで続き、その後CBT試験が導入されました。
2011年頃から日本の会場でも受験可能となりました。

当時の私の試験勉強は、WileyGleimといった電話帳のような分厚い洋書の「問題集兼参考書」をAmazonで買って、あとはこれをひたすら解きまくるというやり方。当時は紙のテキストで1冊あたり日本円で5,000円~6,000円位で購入できたので大した出費はありませんでした。

自分で(4科目すべて)合格できる力が付いたと判断すれば、「試験申込み → 渡米 → 受験」という流れでした。受験予備校もありましたが、ある程度の素養(会計と英語)があれば独学で対応できました。

試験は5月と11月の年2回。1日2科目で2日間にわたって4科目の試験が行われました。

試験時間はかなり長かったので、途中で(自主的に)休憩を挟んだ記憶があります。現在も相変わらず試験時間はかなり長いようなので、必要に応じて途中休憩をする必要があるようです。

あとは、USCPA受験の特徴的な手続きとして、「学歴審査」がありました。
卒業した日本の大学から英文成績証明書を発行してもらい、米国の学歴審査機関(NIESFACS)に送って、「米国大学の単位に換算すると何単位になるか」を審査してもらう手続きです。この審査手続きには多少期間を要し、かつ、実際に試験を受ける前に手続きを実施する必要がありました。

私の場合は、ビジネス系(経済/経営系)の学部を出ていたので、大学で取得した単位のほとんどが認められましたが、ビジネス系単位が少なかったりすると、別途単位取得をする必要があります。

なお、上述の「試験を受ける時」の必要単位数と「ライセンス登録時」に必要な単位数は異なり、ライセンス登録に必要な単位数の方が多くなります。なので、試験に合格した後でライセンス登録したい場合には(ライセンス登録する州が要求する)単位要件を(事後的に)満たす必要があります。

ちなみに、米国圏のMBA学位を取得すれば、(少なくとも単位の面では)ライセンス要件はクリアできます。

なお、ライセンス取得者か否かはCPA Verifyというサイトから(名前を入力すれば)確認できます。
名前(フルネーム)を入力すると、❶ライセンス登録州、❷ライセンス登録日、❸ライセンスの期限が分かります。

私もたまに自分自身のライセンス更新日を確認するために使っていますが、試験に合格した日は表示されません。

 

当時のことを想い出すと、自分で諸々の手続きをしたり、問題集や受験手数料等の費用は追加的にかかり、また、試験勉強もそれなりにしましたが、「ちょっと面倒でお金が少し余計にかかる米国旅行」位の感覚で試験を受けられたので、随分と”牧歌的”な時代だったと思います。

現在は日本国内で受けられることになったとはいえ、円安やら試験関連コストのアップなどで、以前のように気楽に受けられなくなりつつありますが、個人的には取得して良かったと思える資格です。

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