先月、FP1級に合格(2021年9月に学科試験合格、2022年3月にきんざいの実技試験に合格)しました。
記憶が徐々に薄れてきていることもあり、記録を残しておこうと思います。
今日はFP1級の市販教材についてです。
市販教材とは文字通り、書店などで誰でも購入できる教材と言う意味です。
私が実際に使用した市販教材を含めて、独断と偏見を織り交ぜながら(?)紹介したいと思います。
学科試験用教材
まず、FP1級の市販教材は種類がとても少ないです。
私が知る(=書店で見た)限り、市販教材を出しているのはFP1級試験の主催者であるきんざいとTAC出版の2個所でしょうか。
きんざいのFP1級関連出版物
FP試験の主催団体の一つである金融財政事情研究会の出版等を扱うきんざいが市販している出版物について、順番に見ていきます。お勧め度は、★の数(最高で★5つ)で表示しています。
技能検定教本 お勧め度:★★★★☆
FP試験において最も詳細な記述がなされていると思われるのが、5分冊の「技能検定教本」。時間と資金に余裕があれば、お勧めの教材です。
難点は、かなり大型の書店に行かないと中身が確認できないこと、5冊すべてそろえると22,000円(@4,400円×5)とかなり高額となることです。そのため、★1つ減としました。
ただ、FP1級の学科試験の受検料が8,900円、実技試験の受検料が28,000円(2022年6月以降、現行の25,000円から28,000円に値上げ)と高額なので、入念に準備して試験に臨みたい場合には、投資に値するでしょう。
合格ターゲット 特訓テキスト お勧め度:★★★★☆
5分冊の「技能検定教本」の出費が厳しい…という場合、1冊にまとまった「合格ターゲット 特訓テキスト」がお勧めです。こちらはFP1級を受検される方の多くが保有しているテキストと思われます(私も使用しました。)
「テキスト」といっても内容的には「要点集」or「総まとめ教材」という色彩が濃いので、この本だけで内容が完全に理解するのは難しいと思います。私も理解できない部分が多々ありました。
私は、テキストを読み込んでいくことはせず、後述の問題集中心に勉強し、分からない部分をテキストで補完するというやり方を採用しました。また、テキストで分からなければ、さらにネットなどで検索して理解するようにしました。
検定主催団体の手による教材なので、信頼性は非常に高いと思いますので、手元に置いておく価値はあると思います。
精選問題解説集 お勧め度 ★★★★★
次に、過去問等を収録した「精選問題解説集」。こちらは★5つのイチ押し教材です。
私の場合、勉強期間が約2か月間(7月から勉強開始)と短かったので、まずは問題集を解いてみて、わからない部分や理解が甘い部分を「特訓テキスト」で補うという方法を採用しました。
FP試験に限らず、試験に合格するには演習を積むことが必要です。また、実際に問題を解く(問題の問われ方を知る)ことで、どういう形式で出題されて、どういった内容を押さえておけば得点に結びつくのか、という試験のポイントがわかるようになります。
FP1級試験では、非常に細かい内容まで問われるので、すべての問題に対応することは不可能です。この問題集に掲載されている(典型)問題については何度か繰り返してマスターする必要があると思います。
TACのFP1級関連出版物
FP試験ではTACの教材は使いませんでしたが、先日、この記事を書くために書店で教材を立ち読みしました。
「もう1ケ月早く勉強をスタートしていたら、TACの教材を使っていたかも」と思いました。完成度はかなり高いです。
合格テキスト お勧め度 ★★★★☆
まず、6分冊の「合格テキスト」。きんざいの「技能検定教本」(5分冊)よりはコンパクトですが、「特訓テキスト」よりはかなり詳しいです。
この本を使えば、ネットなどで調べる時間が大幅に短縮できるはずです。
6冊全部そろえてもよいでしょうし、苦手分野に絞って(きんざいの「特訓テキスト」に)追加してもよいと思います。
また、値段的にもきんざいの「教本」(5分冊)の半額くらいなので、お財布にも(若干)優しいです。
★4つにするか★5つかで迷ったのですが、★4つ(★4.5個?)としました。
合格トレーニング お勧め度 ★★★★★
続いて「特訓問題集」。かなり分厚さに圧倒されてしまうかもしれませんが、★5つのイチ押し問題集です。
きんざいの「精選問題解説集」と似ているのですが、問題数がやや多く、かつ、解説がかなり詳しいという特徴があります(したがって分厚い)。
私がもし、もう1回FP1級を受検するとしたら、まず「合格トレーニング」をやってから(時間があれば)きんざいの「精選問題集」を利用するという方法をとると思います。
みんなが欲しかった! FPの教科書 1級 お勧め度 ★★★☆☆
TACからは「合格テキスト」以外に「みんなが欲しかった! FPの教科書 1級」という2分冊のテキストも出ています。
なぜ、わざわざ2つのシリーズを出しているのかよくわかりませんが、こちらの2分冊テキストは、イラストなどが多くて読みやすいという印象があります。
ただ、先の「合格テキスト(TACの6分冊)」や「特訓テキスト(きんざい)」より網羅性が低いので、結局、他の教材を買い足す必要が出てくる可能性があります。
また、私のように問題演習中心でテキスト部分は拾い読みする(学習の最終段階以外はテキストを通読しない)タイプには(流れがある分)かえって使い勝手が悪いと感じました。
逆に言えば、学習初期段階からテキストを通読して理解を深めていきたいという学習スタイルの方には、フィットしていると言えるでしょう。
みんなが欲しかった! FPの問題集1級 お勧め度 ★★☆☆☆
上記の「みんなが欲しかった テキスト」の姉妹版の問題集です。
こちらは、残念ながらあまりお勧めできません。
というのも、「合格トレーニング(TAC)」、「精選問題解説集(きんざい)」の代用にはならないと思うからです。
まず、問題数が少なく網羅性が低いです。実技試験の問題集を兼ねているようですが、実技試験は後述のように、きんざいから出ている詳細な問題集があるので、わざわざ(実技試験対策を)盛り込む必要性が感じられません。
直前予想模試 FP技能士1級 お勧め度 ★★★☆☆
TACからは予想問題集も出ています。
私自身、過去問重視派なので、「予想問題」にはあまり重きを置いていなかったこと、また、時間的制約もあり、予想問題集を利用する機会はありませんでした。
予想問題に取り組むにしても、先述の過去問題集を完璧にした上で、「なお余裕があれば」という使い方がよいと思います。
★3つとしたのは、内容の問題ではなく、過去問に比べて優先度が落ちるという私の解釈によるものです。
以上をまとめると次のようになります。
① 時間と予算が十分ある場合、テキストとしては、きんざいの「技能検定教本」がお勧め。次に「合格テキスト(TAC)」。時間がない場合には、1冊で済む「特訓テキスト」(きんざい)。
② 問題集は、「合格トレーニング(TAC)」または「精選問題集(きんざい)」がお勧め。余裕があれば両方やりたい。
③ 「みんなが欲しかったシリーズ(TAC)」は読みやすいので、テキストを通読したい方には向いている。但し、合格するためには情報量が足りないので、他の網羅的な教材が必要になる。
④ 演習量を増やしたい方は、過去問に加えて「予想問題」の活用も有効。
実技試験用教材
実技試験問題集(きんざい) お勧め度 ★★★★★
実技試験用の市販教材としては、きんざいから出ている以下の書籍の一択になると思います。こちらは、比較対象となる他の教材がないので、自動的に★5つです。
なお、書籍に掲載されていない直近の試験問題や過年度の試験問題については、金融財政事情研究会のホームページから入手できるので、こちらも目を通しておく必要はあると思います。
教材の紹介は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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